はじめに:築古でも快適に住める時代へ
「せっかく買うなら“冬寒い家”は避けたい…」
そんな声が、リノベーションを検討される方から増えています。
実は中古住宅の快適さを大きく左右するのが、断熱性能。
古い住宅は耐震や見た目だけでなく、「中の空気環境」が決め手になります。
■ そもそも、なぜ昔の家は寒いのか?
昭和〜平成初期に建てられた住宅の多くは、現在の省エネ基準とは大きくかけ離れた断熱仕様になっています。
特に昭和55年(1980年)以前の建物では、国交省の調査でも「壁・床・天井すべてに断熱材がない=無断熱」と回答したケースが3割以上という報告もあります。
その後の住宅も、断熱材が「入っているだけ」で性能が不明だったり、隙間施工や薄い素材で効果がほとんど無いことも。
つまり「中古住宅は寒い」のではなく、「断熱性能の低い家が多い」というのが本当の理由です。
■ 断熱性能はリノベで底上げできる
でもご安心を。
フルリノベーションでは断熱性能の強化が可能です。
以下のような工事が代表的です。
- 壁・天井・床に断熱材を新設(ボード型や吹き付け型など)
- 開口部の断熱:サッシ交換・内窓追加など
- 床下の断熱材施工(基礎断熱 or 床断熱)
- 気密性の高い仕上げ施工 など
リノベーションの規模や建物の構造にもよりますが、新築に近い断熱性能を目指すことも十分可能です。
■ 京都の“底冷え”には床下断熱が効く
京都は言わずと知れた「底冷え」の街。
地面の冷気が直接伝わる床下環境では、冬場の室温が大きく下がってしまいます。
古民家や和室が多い中古住宅では、床下の断熱強化がとくに効果的。
断熱材の充填+床下の気密対策で、体感温度が2〜3℃変わることも。
■ 断熱改修に使える補助金制度も
断熱性能の向上は、国の補助金対象になるケースもあります。
2024年度も実施されている「住宅省エネ2024キャンペーン(リフォーム枠)」では、断熱工事や開口部改修に対し、最大60万円前後の補助が出る可能性も。
もちろん申請には条件があり、施工前に工務店を通じての申請が必須。
ご自身で申請することはできませんので、断熱リノベを考えている方は、まずは相談をおすすめします。
■ “暖かい家”は家族の健康と家計を守る
断熱性能を高めることで得られるメリットは多岐に渡ります。
- 冷暖房効率が上がる→電気代が下がる
- 結露が減る→カビ・ダニの発生も抑えられる
- 冬場のヒートショックリスクが減る
- 室内の温度ムラがなくなることで、快適さが大きく変わる
とくに小さなお子さんや高齢のご家族がいる家庭では、断熱は“住み心地”に直結する投資です。
■ まとめ
中古住宅は「安いけど寒い」と思われがちですが、断熱リノベーションによって性能は確実に底上げできます。
光熱費の節約はもちろん、家族の健康・快適な暮らしのために、断熱性能を見直してみてはいかがでしょうか?